ニッケイ新聞 2013年3月2日
2月28日午後6時30分頃、サンパウロ市中央のリベルダーデ大通り沿いの建物の外壁が崩壊し、通りがかりの男性1人が死亡する事故が起きた。1日付伯字紙が報じている。
事故が起きたのは、リベルダーデ大通りとコンデッサ・デ・サンジョアキン通りの角で、改築工事中の建物のリベルダーデ大通側外壁が歩道に崩れた。この事故で、マルコ・アントニオさん(50)が瓦礫の下敷きになり死亡した。
現場にはすぐに消防隊がかけつけ、3匹の警察犬と共に他に犠牲者がいないかの検証を行った。棟続きの駐車場やランショネッテも崩壊が起きる可能性があるために立ち入り禁止となり、現場付近の道路は3月1日も一部封鎖が続いている。同地域には二つの病院と二つの大学があり、5月23日大通りとを結ぶ幹線道路でもあることから交通は混乱した。
崩壊した建物は1934年建造の古いもので、以前はランショネッテだったが、1月から駐車場に改造する工事が行われていた。だが、この建物の所有者は市から正式な工事許可をとっていないことが判明した。
所有者は11月にセー地区の区役所に改築申請を行ったが、許可はまだ下りていない。市条例では、30日を経過しても市から返答がない場合、所有者は自己責任で工事を開始できるが、その場合は内壁の移動などは認められないため、内壁や屋根も外した形の工事は完全に違法だ。管理人と工事担当者は、アントニオさんの死をめぐり、業務過失上致死罪に問われる可能性がある。
建物の外壁は非常に古く、前を通り過ぎる時は怖くて車道に下りていたという人もいるほどだ。現場の建物跡には、深さ約5〜7メートル、面積にして5千〜7千平米の大きな穴が空いていた。