ニッケイ新聞 2013年3月5日
ブラジルで最も有名な漫画「トゥルマ・ダ・モニカ」の主人公モニカが、世に登場して50周年記念を迎えた。3日付伯字紙が報じている。
背が低くて、小太りで出っ歯のサンパウロ州育ちの女の子モニカはブラジルの象徴的なキャラクターで、過去25本のアニメ映画が作られた。関連のビデオ作品やゲームも毎年のように発売され、衣類や食品の商標モデルにも頻繁に登場、国内のテーマパークは三つある。世界的にも、40カ国、14の言語に翻訳されているブラジル一の国際的な漫画だ。
モニカが世に誕生したのは1963年3月3日のこと。作者のマウリシオ・デ・ソウザ氏(77)が同名の次女に似せて描いたモニカは、当初はモニカをからかう少年セボリーニャを主人公にした漫画の共演人物だったが、次第にモニカが重要な位置を占めるようになり、1970年、現在も知られる「トゥルマ・ダ・モニカ」の主人公を演じるようになった。
マウリシオ氏は50周年記念のインタビューで、モニカの人気の秘訣を「モニカがセボリーニャ、カスコン、マガリといった友人たちと繰り広げる世界が、読み手である子供たちの普段の生活に近いために共感しやすいから」と語った。
また、「なぜ人気が長続きするのか」の質問には「自分の作品が永遠に続くなどと過信せず、時代に対応した話の設定やキャラクターを登場させているからだろう」と答えている。マウリシオ氏の二番目の妻が日系人ということもあり、キャラクターには日本人が登場することもあるが、妻アリス・ケイコ・タケダさんとの長女マリーナさん(27)が脚本作りを手伝っているのも刺激になっているという。
モニカ生誕50周年を記念した展示会はサンパウロ市西部バラ・フンダのラテン・アメリカ記念博物館で4月末まで行われる。また、記念のモニカ人形も発売される。