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麻野涼新作『死の臓器』=非合法の臓器移植描く

ニッケイ新聞 2013年3月6日

 本紙で好評連載中の小説「移り住みし者たち」の執筆者で東京在住のプロ作家、麻野涼氏がこの度、臓器売買を扱ったサスペンス小説『死の臓器』を文芸社文庫から出版した。日系書店に注文すれば購入できる。
 テレビディレクターの沼崎恭太が番組取材のために樹海に足を踏み入れたとき、偶然、2、30代の女性の死体を見つけた。左脇腹の上部から盲腸の辺まで手術跡があり、左肝臓が摘出されていることがわかった。
 そこから徐々に医学界が認めていない治療方法レストア・キッドニ(修復腎)の知られざる事実が暴かれ、ガン患者の腎臓を透析患者に移植するその特殊な非公認医療の実態が明らかにされていくというもの。
 麻野氏は1950年埼玉県生まれ、早稲田大学卒業後、『移り住みし者たち』にあるようにブラジル移住し、当時のパウリスタ新聞で記者をし、結婚した日系二世女性を連れて帰国、日本でフリージャーナリスト、小説家として活躍中。