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クンビッカ=貨物狙いの3人を逮捕=飛行機の中で荷物抜く?=貨物盗難は26・5%増加

ニッケイ新聞 2013年3月7日

 サンパウロ州市警が5日未明、大サンパウロ市圏グアルーリョスにあるクンビッカ国際空港内で乗客の荷物を抜き取っていた貨物会社職員3人を逮捕したと6日付伯字紙が報じた。
 逮捕されたのは、貨物の扱いを任されている外注会社Swissport職員で28歳のチエゴ・ロドリゴ・エスプウダロ・ロドリゲス・ダ・コスタと24歳のアンデルソン・テルユキ・イワサキ、32歳のジヴァニウド・クルス・ドス・サントスの3人。警察は共犯者が少なくとも1人いると見て捜査中だが、容疑者は仲間の逮捕と前後して姿を消している。
 クンビッカ空港での貨物盗難は1月だけで40件起きたとされ、2012年の被害届けは1757件。2011年の1389件と比べ26・5%の増加だが、届けが出てないものも含めれば、1日20件と推測する人さえいるという。
 貨物盗難は、ロビーなどで手荷物を狙うケースと、機内預かりの荷物が狙われるケースの2種類がある。今回逮捕されたケースは機内預かりの荷物を狙った例で、乗客が荷物を受け取る前に荒らされている例が多い事を不審に思った市警は、2カ月前に警官1人を職員として送り込み、捜査を行っていた。
 逮捕のきっかけとなったのは、5日未明に到着したマイアミとボゴタからの便の荷物の積み下ろしを担当した職員の1人が盗品を入れた袋を腰につけていた事。この職員は、防犯カメラのない飛行機の貨物庫内でトランクの鍵やジッパーを外してめぼしい品を抜き、外観からは犯行が判らないよう、丁寧に閉め直した上でベルトコンベアーに移していたという。
 クンビッカでは、12年2月にも、貨物会社の職員が国際便の荷物を国内便の荷物用のベルトコンベアーに載せ、乗客になりすました仲間が、税関を経ずに荷物を持ち出すという手口で盗みを働いていた一味が逮捕されている。また、黒っぽいカバンを背負った人物が酷似したカバンを持つ乗客を狙って近づき、カバンを入れ替えるという手口の犯行グループも今年摘発されている。
 貨物の盗難は、サンパウロ州カンピーナスのヴィラコッポス空港などでも多発しており、レアル高で割安感が出たコンピューターや携帯電話などの電子機器、時計、香水、衣類などを欧米諸国で買い込んだ旅行客が狙われやすいという。
 逮捕された3人の自宅では盗品の一部も押収されたが、市警では、空港内で盗みに加わっていたと思われる人物捜査と共に、盗品を受け取って売りさばいていた人物を特定する作業も継続中だ。