ニッケイ新聞 2013年3月9日
リベルダーデ区の文協図書館内に「ブラジル移民関係図書室」ができ、昨年9月からインターネットで移民関連の図書を検索できるようになっている。
同図書館で働くJICA青年ボランティアの藤沢友子さん(30、北海道)の手で、約4千冊(日語3400、ポ語500冊ほど)が移民史、文学、農業、日本就労など12項目に整理され、ポ語書籍のコーナーも同項目別に探せるようになった。邦字紙や雑誌も閲覧可能。
また、蔵書名のデータベース化が完了し、文協のHP(www.bunkyo.bunkyonet.org.br)内にある「移民図書検索」から、書名、著者名などで検索できる。同じ図書が2冊ずつあるため、2冊ともある場合は借りることができる。
さらに、利用者増加をめざした取り組みとして日本人に向けたポ語教本、伯文化紹介本や小説、旅行ガイド、ポ語訳の日本の漫画、日本語の絵本など、さまざまなコーナーを設置。藤沢さんによればいずれも好評で、「ブラジル人の利用も時折見られるようになった」という。特に絵本の蔵書は1千冊以上にも上る。
なお、2年間勤めた藤沢さんはまもなく任期を終え、今月23日に帰国する。「移民資料室の利用者が色々な話を聞かせてくれ、勉強になった」と充実感をにじませ、「移民の方が書いた自分史は、貴重な史料。図書館で責任を持って保管するので、ぜひ寄贈してほしい」と呼びかけた。