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サンパウロ市=被害者の腕を川に捨てる=飲酒運転の学生がひき逃げ

ニッケイ新聞 2013年3月12日

 10日未明、サンパウロ市のパウリスタ大通りで、自転車のひき逃げ事故があり、加害者の運転手が被害者の腕を川に捨てる行為まで行った。11日付伯字紙が報じている。
 10日午前5時30分頃、パウリスタ大通りを自転車で走行していたダヴィド・サントス・ソウザさん(21)は、一台の車に衝突され、右腕をもぎ取られた。ぶつかった車は、自転車道と車道を分けるためのコーン(三角柱)を縫う形で、かなりのスピードで蛇行運転していたという。
 自動車の運転手は大学生アレックス・シベック容疑者(22)は、被害者の救護もせずにその場を立ち去った。ブリガデイロ駅付近で同乗していた友人を降車させた後、自宅近くにあるサンパウロ市南部リカルド・ジャフェト大通りの小川に、車の中に入りこんでいた被害者の腕を投げ捨てた。
 シベック容疑者は南部イタイン・ビビのナイトクラブで酒を4〜5杯飲んだ後で、運転していた車は父親のものだった。
 同容疑者は午前7時頃に軍警第3警察署に出頭し、警察と共に腕を投げ捨てた小川に出向き、腕の捜査を手伝ったが、腕は発見されなかった。
 一方、被害にあったソウザさんは、午前5時50分頃、クリニカス病院に運ばれ、一命は取り留めた。が、ちぎれた腕の縫合手術(事故発生から数時間内であれば可能)はかなわなかった。母親の証言によると、ソウザさんは腕がなくなったことにも気づかずに動かそうとしていたという。
 シベック容疑者は殺人未遂、事故現場からの逃走、腕を川に投げたことによる事実隠蔽、飲酒運転の罪に問われた。容疑者は呼気アルコール検査や血中検査を拒否した。
 パウリスタ大通りは自転車事故多発地帯のひとつで、この日の午後、事故現場では100人ほどの自転車愛好家たちが一斉に道端に倒れこむ抗議行動を2度に渡って繰り返した。