ニッケイ新聞 2013年3月13日
広島の食文化を知ってもらおうとブラジル神楽保存会(道菅武保代表)が、広島文化センターでブラジル初となる「広島祭り」を開き、来場した約400人がお好み焼きや尾道ラーメンなどに舌鼓を打った。
同会は1969年に結成されたが活動は低迷。2005年に元県費研修生らを中心に復活、現在約20会員がブラジル各地のイベントで舞台を披露している。本イベントは11月にある島根県益田市での公演のための訪日費用捻出が目的。
03年度の県費研修生でイベントのまとめ役、中森紳介さん(33、二世)は「実現すれば日本での舞台は初めて。本場の人たちにブラジル流の神楽を見てもらいたい」とヘラを両手に汗をぬぐい笑った。
道菅代表(68)は「若い人たちが自主的にイベントを実施するのは頼もしい」と笑顔を見せ、大西博己県人会長(68、二世)も「県人会を担う次世代が交流事業を始めた。協力していきたい」と話した。
谷口範之(87)、節子さん(84)夫妻は「父祖の文化を伝えようと頑張っているのは嬉しい」と目を細めていた。
お好み焼きは300、ラーメンは200食を完売し、ビンゴやバンド演奏、ダンスなどのアトラクションで会場は終日にぎわった。