ニッケイ新聞 2013年3月14日
民主社会党(PSDB)から14年の大統領選出馬が有力視されているアエシオ・ネーヴェス氏が12日、「ペトロブラス回復は我々の課題」と題したセミナーで、同社の業績を落としたとして労働者党(PT)政権を批判した。13日付伯字紙が報じている。
12日にブラジリアの下院予算委員会の会議室で行われたセミナーで、アエシオ氏は、ペトロブラスが年間約150億レアルの損害を出す企業になったのは、政府の計画性のなさが原因とPTを批判し、ペトロブラスの運営をカルドーゾ政権が1997年に提唱したものに戻すべきだ、との持論を展開した。
フェルナンド・エンリッケ・カルドーゾ元大統領(FHC)の時代の油田開発の入札では、ペトロブラスは国内外の石油業者と競争する立場を取っていた。
ルーラ政権でも、2003年の発足当初はこの方式に従っていた。だが、2010年に、岩塩層下の油田開発への関与を強め、石油の収益の大半を国益にするため、全ての油田の開発にペトロブラスを参加させるよう方針を転換した。
この変更以降、油田の入札は一切行われていないが、市場では、ペトロブラスに新方式に対応していくだけの資金力があるかとの疑問も囁かれるようになっていた。
アエシオ氏は負債増加や株価下落、ラ米一の企業の座からの転落などを基に、「油田開発への強制参加は生産性を鈍らせ、投資家を遠ざけ、ペトロブラスを資金不足に陥らせる」との持論を展開。「強制的な油田開発への参加で同社の資金力がそがれれば、より高い利子の資金調達が必要になる」と訴えた。
PTは大統領選のたびに、ペトロブラスの資本の一部を外国人投資家に売ったPSDBを「国家資産の民営化」と激しく糾弾してきたが、アエシオ氏は、「これはペトロブラスを特定の政党の私利私欲から遠ざけるための〃再国営化〃」と語り、PTを批判した。
セミナーにはPSDB青年部のメンバーも数多く参加した。青年たちは手を石油まみれになったかのように真っ黒に塗り、ルーラ前大統領やジウマ大統領の面をかぶって、両氏が「ブラジルは石油の自給自足国家だ」とアピールしたときの宣伝を真似て皮肉った。
PTはアエシオ氏の批判に対し、ペトロブラスのグラッサ・フォステル総裁へのインタビューを党のサイトに掲載。同総裁は「岩塩層下の油田発見から7年での採掘は世界でも前例がない」「わが社は経営危機になど陥っていない」と語り、アエシオ氏に反論した。
また、アエシオ氏は12日夜、PSDBの州知事7人と会合を開き、連邦政府に対するもうひとつの反論議題である、州が国に納める負債額の変更について話し合った。現在は国からの負債の返済額は州の収益の15%と定められているが、この日の話し合いでは9%に変えるよう求めることで話がまとまった。