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13年度予算遂に承認=本来の期限に3カ月遅れ=経済成長見込みの修正は?

ニッケイ新聞 2013年3月14日

 12日の上院が総額2兆2760億レアルの13年度予算案を承認、企画省が見直した後に大統領裁可と13日付伯字紙が報じた。本来なら予算案は12月中に承認されるが、石油のロイヤルティ改正案に対する大統領拒否権発動に反発した議会が、他の拒否権発動例の審議も行わなければならない事などを理由に審議を先延ばししていた。
 7日未明の下院と12日の上院で承認された予算案は国内総生産(GDP)成長率を4・5%に設定していたため、企画省が3〜3・5%に下方修正された成長予想に合わせて見直し後、大統領裁可となる。
 上院での審議は賛成54、反対1、棄権2の大差で終わったが、予算案の承認の遅れは新しいプロジェクト実施の遅れなどを生じさせる。本来なら、最低賃金引上げやそれに伴う年金支給額の変更も、予算承認後に実行される事柄の一つだ。
 だが、当初予算案では674・95レアルと設定していた最低賃金を678レアルに引上げ、年金支給額を1月から調整する事などを可能にしたのが、昨年12月27日に出された425億レアルの暫定令と、予算案の12分の1を各月に払い出せるという規定だ。この暫定令は、予算委員会が12月に承認した一般会計予算額の3分の2を2012年度予算として支出、12年までに行われた事業への支払いと新年度予算承認までの諸費払い出しを可能とした。
 また、12日に承認された予算の内、6101億レアルは国の債務再編成のために使われるため、人件費その他の事業支出などの額は1兆6600億レアル。内833億レアルは投資に向けられる予定だ。
 司法、行政、立法三権の人件費は2032億4千万レアルの予算で、公務員給は4月から5%調整される。これにより、上限である最高裁判事や大統領の給与は2万6737・13レアルから3万8059・28レアルに引き上げられる。
 省庁向けの予算が最も多いのは保健省の998億レアルで、議員割り当て金でも最低200万レアルの支出が認められる予定だ。教育省にも811億レアルの予算が割り当てられている。
 経済活性化計画(PAC)関連予算は519億レアルで、政府は30%に当たる156億レアルを議会の承認を経ずに動かす事が出来る。国債の利子支払いなどに当てる基礎的収支の黒字目標は1559億レアル、8日に発表されたセスタ・バジカ対象品目の減税などによる減収分は200億レアルを見込んでいる。