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腕を失った青年に義手=ソロカバの篤志家が寄贈

ニッケイ新聞 2013年3月14日

 【既報関連】10日早朝、サンパウロ市パウリスタ大通りで飲酒運転の車にひき逃げされ、右腕を失ったデイヴィッジ・サントス・デ・ソウザさんに、義手寄贈の申し出があったと13日付G1サイトなどが報じている。
 10日朝5時半頃、自転車で職場に向かっていたソウザさんは猛スピードで接近してきた飲酒運転の車と衝突、右腕をもぎ取られた。路面に叩きつけられて意識を失ったソウザさんは、救命処置を受けるまで呼吸も停止していたが、通りがかりの学生が施した人工呼吸で息を吹き返し、クリニカ病院に運ばれた。
 ソウザさんの右腕は衝突した車の運転手がタマンドゥアテイ川に投げ込んだため、移植手術も出来なかったが、事件の報道を聞いたサンパウロ州ソロカバの企業家が義手提供を申し出た。46年間、義手や義足を扱っているネルソン・ノレさんは「とんでもない事件だが、私で出来る事なら喜んで手伝いたい」と語っている。
 ネルソンさんの会社の専門家達は、腕の状態などを見るために14日にソウザさんを尋ね、どのタイプの義手を使うかなどを判断する予定だ。
 ソウザさんは片腕でもガラス掃除は出来ると悲壮な決意をしていたが、ネルソンさんの好意で新しい道が開けそうだ。ネルソンさんの会社で作る義手や義足の30%は寄贈されているという。