ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | リオの湖に大量の魚浮く=大雨で有機物質が流入か

リオの湖に大量の魚浮く=大雨で有機物質が流入か

ニッケイ新聞 2013年3月15日

 13日朝、リオ市南部のロドリーゴ・デ・フレイタス湖に大量の魚の死骸が浮いているのがみつかったと13日付G1サイトや14日付フォーリャ紙が報じた。
 フレイタス湖はリオ市の観光名所の一つで、リオ五輪ではヨット競技の会場ともなるが、13日には、湖の表明が埋め尽くされるほど大量の魚が白い腹を上に向けて浮かび、近隣住民や関係者を驚かせた。13日に回収された大小様々な魚の死骸は少なくとも33トンと報告されている。
 13日午前10時現在のフレイタス湖の水中酸素量はゼロだったというから、魚の死因は薬物などの流入ではなく、窒息死と見られているが、水中の酸素がなくなった原因の解明はこれからだ。近隣の漁師達によると、フレイタス湖の水門はマカッコス川との間もイパネマ海岸との間もここ数日間閉鎖されており、湖水の循環は止まった状態だったという。リオ市環境局が潮の流れなどを見ながら水門を開けた事で、12時30分現在の水中の酸素量には改善が見られた。
 生物学者の一人は「リオ五輪を3年後に控えた21世紀に17世紀のような光景を見るとは」と前置き後、水中の酸素欠乏は、10日(日)夜の豪雨で有機物を含む下水や汚物、植物などが大量に流れ込み、藻の繁殖などが進んだりした事が原因だろうとの見方を示した。大量死には水の循環が妨げられた事も影響したと見られ、「これだけの量の魚が死んでしまう前に適正な量の漁が行われ、水の循環が正常に行われていれば今回のような大量死は避けえたはずだ」と話している。
 サンパウロ州海岸部では大雨の後に大量のカニの死骸が発見された例があるが、フレイタス湖では五輪に向けた湖浄化も急務だ。