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アエシオ=PSDB大統領候補に前進か=党首選への出馬初表明=サンパウロ州の大物と会談の後に=アウキミンもトーンダウン

ニッケイ新聞 2013年3月21日

 民主社会党(PSDB)の14年大統領選候補と目されているアエシオ・ネーヴェス氏が、18〜19日にジョゼ・セーラ前サンパウロ州知事やジェラルド・アウキミンサンパウロ州知事と会談した後、党首選出馬の意向をはじめて認める言動を行った。19〜20日付伯字紙が報じている。

 アエシオ氏が14年の大統領選にPSDB代表として出馬する前に党首となって全国を回ったりするという考えは、12年12月4日に同党のカルドーゾ元大統領とセルジオ・ゲーラ党首がアエシオ氏同席で記者会見を行い、「アエシオこそ大統領候補にふさわしい」と宣言したときから形をとりはじめた。
 アエシオ氏は当初、党首となることに乗り気ではなかったが、周囲の勧めで納得する一方、過去3度の大統領選でPSDBの大統領候補を出し、アエシオ氏の拠点のミナス・ジェライス州とはかねてからライバル関係にあったサンパウロ州の党員から、党首選出場を否定する声が出ていた。
 このことは、セーラ氏の側近が「セーラ氏はPSDB党首になれなければ社会大衆党(PPS)に移り、大統領選でも他の候補を応援する」と発言したとの16日付エスタード紙報道などに表れた。セーラ氏は16日の内に報道された内容を否定する文書を出したが、アウキミン知事も先週、アエシオ氏の自宅で同氏と会食した際、「党首になる必要はない」と発言。この発言は18日の州政庁での昼食会でも繰り返された。
 これを受けて、アエシオ氏は18日夜、セーラ氏を訪ねて3時間ほど会談。19日は上院の執務室でアウキミン氏と会談した後、党首選出馬の意向を表明した。
 セーラ氏との会談は穏便なもので、セーラ氏は離党の意思を否定、「党の障害になるようなことはしたくない」と話したという。アエシオ氏はセーラ氏が党内で役職を得ることをほのめかしたが、セーラ氏からのコメントはない。両氏は2週間後に再会の予定だ。
 アウキミン知事との会談は約30分で、PSDBサンパウロ州支部のセミナーへの参加を要請された。
 アウキミン氏は18日のサンパウロ州選出の下院議員たちとの昼食会で、「アエシオ氏を党首とするのは得策ではない」と語っているが、セーラ氏とアエシオ氏の会談の後に態度を軟化させた。アウキミン氏は党首の座にこだわるセーラ氏や同氏を支持する州内党員を考慮していたようだが、アエシオ氏の党首就任に反対して14年サンパウロ州知事選で協力が得られないことを怖れたと見られている。
 アエシオ氏は5月19日の党大会で党首に選ばれる予定で、党首就任後は直ちに、大統領選に向けて動き始める。
 PSDBの大統領候補選びは02年選挙以来、常にセーラ氏が候補として関与し、ぎりぎりまで調整が続いた。アエシオ氏は10年大統領選でも候補の一人だったが、今回は党内統一を図り、ジウマ再選を阻むため早い時期に候補が決まった。