ニッケイ新聞 2013年3月21日
20日から秋に入ったブラジルだが、夏の雨は局所的な豪雨となり、発電用のダムには届かなかったようで、南東伯や中西伯のダム貯水量は近年でも最低のレベルと20日付G1サイトが報じた。
リオ山間部やサンパウロ州海岸部では17日からの豪雨で死者28人、地域の地盤はいつ土砂崩れが起きてもおかしくないほど水を含んでいるといった状況が続いているが、ダム貯水量は例年を大きく下回る状態で秋に入った。
特に懸念されるのは、南大河州やサンパウロ州とミナス州の境にある貯水ダムの水位だ。南東伯は昨年末に過去13年で最悪という少雨を記録し、サンパウロ州とミナス州の境のダム水位は一時9%まで低下。南東伯の秋は寒冷前線通過に伴う雨や風を伴って始まり、雨量が減る秋に改善の期待を残した。
一方、南大河州のマリンボンド貯水ダムの水位は未だに50%以下で、関係者も懸念の色を隠せない。昨年同期の水位は70%を超えており、この夏の少雨を裏付けた。
中西伯と南東伯の水力発電所は発電能力の半分以下で機能しており、火力発電の併用を強いられている。北東伯のダムの平均水位は42%で、昨年同期の約半分。同地域の干ばつの厳しさもこの数字に表れている。