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サンパウロ市の車検制度が改正=3年以内の車は点検なし

ニッケイ新聞 2013年3月23日

 20日のサンパウロ市議会で、車検に関する改定が審議され、従来のようにサンパウロ市のすべての車が毎年の車検を行わずに済むようになった。22日付伯字紙が報じている。
 20日の投票で決まったのは、製造から3年以内の車の車検が免除され、4〜9年以内の車の車検が隔年となること。車検に伴う手数料の支払いも、車検で「問題あり」とされた車の所有者や市への納税義務を怠っている人以外は免除されることとなった。
 これらの実施は2014年からだが、2013年も、車検を行って問題のなかった人は車検手数料が返還される。手数料に関しては、車検を担当しているコントロラール社との契約が有効なうちは現行の47・44レアルだが、ハダジ市長は担当する会社を分散させ、より低価格で車検が行えるよう希望している。
 なお、製造から10年を超える車や、バスやトラックなどのディーセル仕様の車に関しては毎年の点検が必要となる。
 今回の改定では、サンパウロ市外のナンバープレートを持つ車でも、年に120日以上、サンパウロ市を走る場合には車検義務が課されることにもなった。ハダジ市長によると、これは車検逃れのためにわざと市外で車を購入する人がいることへの対策だという。この車検逃れで、サンパウロ市は年約3億レアルの自動車所有税(IPVA)を損しているという。
 今回の改定に関してハダジ市長は、「手数料の免除により、市民が交通プログラムを守るようになってくれれば」と期待を寄せる。
 だが、この改正に対して懸念の声をあげる人たちもいる。環境浄化技術公社(Cetesp)前会長のアルフレッド・スヴァルク氏は、「車の排気量が上がってサンパウロ市の空気は確実に汚染される」と語っている。検察局環境課も今回の改定に疑問を持っており、裁判所に持ち込んで無効にしようとする動きがある。