ニッケイ新聞 2013年3月27日
人種差別や同性愛差別にあたる発言で、抗議運動や辞任勧告を受けている下院人権委員長のマルコ・フェリシアーノ氏(キリスト教社会党)に対し、有名歌手や俳優なども含む一団が25日にリオで抗議行動を行った。26日付伯字紙が報じている。
ジェアン・ウィリス下院議員とマルセロ・フレイショ州議員(共に社会自由党)がリードする抗議行動には、大御所歌手のカエターノ・ヴェローゾや、大ヒット映画「トロッパ・ダ・エリッチ」主演俳優で知られるヴァギネル・モウラ、人気歌手のプレッタ・ジルや若手女優のレアンドラ・レアルをはじめ、多くの社会運動家や宗教家などが参加した。
ブラジル報道協会講堂に集まった600人ほどの人を前に、カエターノは「私たちは、あのような人物を人権委員長に選ぶというばかげた選択に断固反対するためにここにいる」と語り、ヴァギネルは「PSCが他に委員長候補が出せないというのは嘘だ」と語った。ウィリス下議は「政府は自分たちの利益に関わるときだけにしか議会に干渉しない」と語り、この件に関するジウマ大統領の声明を求めた。
一方でフェリシアーノ氏は25日も辞任を否定し、26日までの委員長交代をPSCに求めているエンリケ・アウヴェス下院議長の辞任勧告に逆らい続けている。同氏は来週、ボリビアに向かい、ボリビアのチームのファンを殺した容疑でつかまっているコリンチャンス応援団のメンバーに面会に行くという。
フェリシアーノ氏の悪評は国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルにも届き、25日に発表した声明で、人権委員長に「黒人や同性愛者、女性に対するあからさまな差別をする人物を選出するのは受け入れ難い」「基本的な人権を政治の道具としたり政党間の合意の犠牲とすべきではない」として、早急な交代を願った。