ニッケイ新聞 2013年4月4日
ジウマ大統領は2日、「過去50年で最悪」とされる記録的な干ばつにあえぐ北東伯に対する支援対策を発表した。そのジウマ氏に対し、14年の大統領選への立候補が囁かれているペルナンブーコ州のエドゥアルド・カンポス知事(ブラジル社会党・PSB)はさらなる注文をつけた。3日付伯字紙が報じている。
ジウマ大統領は2日、セアラー州フォルタレーザで行われた北東伯の知事たちの会議で、総額90億レアルの渇水対策を発表した。
その17%は、すでに実施中の「ガランチア・サフラ」と「ボルサ・エスチアージェン」の延長費用だ。これにより、干ばつで被害を受けた農家は今年一杯、前者から毎月最大155レアル、後者からは毎月80レアルの支援を受けとれる。
35%にあたる31億レアルは、負債を抱える農家に対する2016年までの免税や返済免除総額だ。23%にあたる21億レアルは、干ばつ被害が深刻な1415市が必要とする重機類の購入にあてられるが、このうちの6億9400万レアルは、2012年発表の機材整備の経済活性化計画(PAC)の一部としてすでに支出済みだ。また、給水車の30%増加や12月までに26万7千の貯水池建設、34万トンのトウモロコシの販売援助も含まれる。
会議には14年の大統領選の対抗馬の一人と見られるカンポス氏の姿もあったが、ジウマ大統領は「北東伯への気遣いは大統領の人気取りではない。今回の政策で北東伯の人が受け取るものは受けて当然の権利だ」と語った。
会議への出席者は知事7人と副知事3人で、セアラー州知事のシジ・ゴメス氏(PSB)は現政権の北東伯への積極的支援を評価した。同氏は14年の大統領選で「PSBはジウマ支持に回るべき」とし、同党党首のカンポス氏の出馬に反対の立場を取っている。
一方、カンポス氏はジウマ政権に新たな注文をつけた。同氏は「政府は電気代を下げるために、同部門のPIS(社会統合基金)とCofins(社会保険融資納付金)免除で14億レアル分の税収を放棄した。今度は北東伯の水道部門にも同じ方策をとるべきだ」と語った。同氏によれば、ペルナンブーコ州の水道公社はこの方式で年6千万レアルの経費が浮き、その分を設備投資などに当てられるという。
カンポス氏は、北東伯の経済基盤は干ばつなどに対して無防備だから、長期的な視野に立ったインフラ整備計画などが必要だと力説した。大統領は逆に、ルーラ政権や現政権で行っているダムや用水路などの建設や社会政策が、北東伯がここまで持ちこたえる基盤をつくったと強調していた。
12年から続く北東伯の渇水は改善と見られた2月以降も深刻化の一途で、北大河州では86%の市が非常事態宣言。セアラー州30市では隔日の給水制限が始まった。