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サンパウロ州で上級判事懲戒免職=弁護士や顧客に賄賂求める=「支払えば判決変える」とも

ニッケイ新聞 2013年4月5日

 サンパウロ州司法裁判所は3日、史上初めての汚職による上級判事(デゼンバルガドール)の免職処分を行った。3日付柏字紙が報じている。
 3日に行われた特別審議会が満場一致で懲戒免職処分を決めたのは、アルトゥール・デル・ゲルシオ・フィーリョ控訴審判事(57)だ。サンパウロ州司法裁判所には現在、347人の上級判事がいる。
 デル・ゲルシオ判事の汚職に関する捜査は、弁護士事務所を運営する古川長(ナガシ)氏が3月18日に行なった告発によってはじまった。古川氏の証言によると、デル・ゲルシオ判事は同氏の事務所に電話をし、「裁判所に上訴された案件について話したいので、自分のところに弁護士をよこして欲しい」と切り出したという。
 そこで古川氏の姪の古川ファビアーナ弁護士が向かったところ、デル・ゲルシオ氏は「自宅をリフォームした時の借金の支払いがある」と切り出し、翌日が期限の返済額は3万5千レアルと書いた紙をファビアーナ氏に見せた。その際、「その金を払えば、あなたたちが扱っている裁判案件での私の意見が変わるかもしれない」とほのめかせたという。ファビアーナ氏たちはこの依頼を断っている。
 また、クリート・フォルナシアリ・ジュニオル弁護士も、自分の顧客に生活苦を告白したデル・ゲルシオ氏が、金を払えば、フォルナシアリ氏の顧客が絡んだ裁判で顧客に有利な票を投ずると約束した上、「12万レアル払えば他の判事の票も有利なものに変えられるかもしれない」と言ったと証言。フォルナシアリ氏の顧客は支払いを拒否して裁判で敗訴したが、デル・ゲルシオ判事の票は顧客に不利となる内容だったという。
 ジルベルト・デ・ソウザ・モレイラ判事によると、既に五つの大手弁護士事務所から同様の話を聞いているという。デル・ゲルシオ判事が要求した金額は、2万〜3万5千レアルだった。
 デル・ゲルシオ判事は30年以上の経歴を持つベテランで、2005年からサンパウロ州司法裁判所第15法廷の控訴審判事をつとめ、約1800件の裁判を担当している。
 デル・ゲルシオ氏は自身の罪状について「事実無根」としており、「今回の懲戒免職は、私に自己弁護の機会も与えずに一方的に決められた」と、反論している。
 今回の判決は暫定的なもので、特別審議会が今後、デル・ゲルシオに自己弁護の機会を与える可能性が残されている。

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