ニッケイ新聞 2013年4月5日
サンパウロ市南部の大通りで9〜14歳の子供の強盗団が出没し、窃盗犯罪が増加中と、4日付エスタード紙が報じている。
問題となっているのはサンパウロ市南部とABC地区のサンカエターノを結ぶアルミランテ・デラマーレ大通りで、この通りでの2月の窃盗事件は、昨年同月比で23%増の174件だった。
この通りでの窃盗被害者の大半はサンカエターノ市民で、同市保安局のジョゼ・ケザダ・ファリナ氏は、犯罪多発の理由を「照明が貧弱で信号やロンバーダの位置も不適切だから」と分析する。「大通りの端(サンカエターノ市内)に市警備隊の車を配備しても、事件の大半はサンパウロ市内で起きている」と語っている。
エリオーポリス地区担当の市警警部によると、問題となっている9〜14歳の少年5人の強盗団は3月最後の週だけで2度補導されている。うち1回は1万5千米ドル入りのカバンを盗んでおり、犯行時にはおもちゃのピストルを使って脅していた。少年たちは同地区に住み、地域でもよく知られているという。
警察は「ブラジルの刑法ではその年齢の子供は逮捕できないため、補導して児童相談所に通報した上で親元に返すが、すぐに通りに戻って犯罪を繰り返す」と嘆いている。
犯罪が起きやすいのは信号で人や車が止まった時で、「アルミランテ大通りはエリオーポリスの縁に位置しており、犯罪者が地域社会に逃げこみやすい」という。