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ニッケイ法律相談=その34=回答者 古賀アデマール弁護士

ニッケイ新聞 2013年4月10日

 質問=サラリーマンで、3年の期限で家を借りて住んでいます。このたび会社の命令で遠方へ転勤になりました。引越しをしなければならないのですが、大家さんに伝えたら、「あと2年期限が残っているので、罰金として家賃3カ月分を払ってほしい」といわれました。本当にこの金額を支払う必要があるのでしょうか。
 回答=
会社の命で引越しを余儀なくされた場合は、例外的に罰金は支払う必要がありません。法律でそう決まっています。
 ただし、これは遠方で引っ越さなければ仕事ができない場合に限ります。近いところへの転勤が決まり、そこに住み続けても通って仕事ができるにも関わらず引越しをする、という場合には、足りない分、例えばあと2年契約が残っている場合は罰金として家賃2カ月分を支払う必要があります。
 ちなみに、借家人は契約期限以内に出て行く場合、必要な額の罰金さえ払えば出て行くことができます。ただし、家主は別です。もし家主が自分の都合で、罰金を払うから出て行ってほしいと借家人に言ったとしても、それは不可能です。
     ◎
 質問=ある男性と婚約中に、2人の名義でアパートを購入しました。支払い総額の半額を、すでに彼が支払っています。ただ、このたび彼の申し出で婚約を解消することになり、支払った金額を全額返せといわれました。支払いたくても、私にはそのお金がありません。どうすればよいでしょうか。
 回答=
支払い総額の半分を彼が支払ったということですが、2人の名義で買ったのなら、支払った金額の半分の権利はあなたにあります。お金があっても、返す義務はありません。
 しかも、彼のほうから婚約解消を言い出したのなら、あなたは精神的害を受けたということで損害賠償も請求できます。
 ただ、これから売り手のほうからもう半額の支払いの取立てが来ると思います。支払いを続けるのかやめるのかを2人で相談する必要があるでしょう。あなたにもその物件の権利があるのですから。
 ただし、購入をキャンセルする場合は支払った分の30%は手数料として取られると思いますので、全額が戻ってくるわけではありません。


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