ホーム | 日系社会ニュース | 鈴鹿市のNPO愛伝舎=デカセギ子弟に奨学金授与=坂本代表「目標実現した」

鈴鹿市のNPO愛伝舎=デカセギ子弟に奨学金授与=坂本代表「目標実現した」

ニッケイ新聞 2013年4月10日

 三重県鈴鹿市で外国人住民の生活支援等を行うNPO団体「愛伝舎」(坂本久海子代表)が先月28日、「第1回 夢の懸け橋 奨学金」の授与式を、同団体の事務所で行った。
 地域に住む大学や専門学校に進学する外国籍の子弟等を対象に奨学金を与え、勉学の支援をするという趣旨。最初の奨学生に選ばれたのは、県立飯野高校3年のブラジル国籍の榎本ジェシカ、浜野美幸さんの2人。榎本さんは関西大学、浜野さんは鈴鹿国際大学にそれぞれ進学予定だ。
 同団体が立ち上げた、三重県人移住百周年、三重とサンパウロ州の姉妹州県提携40周年を記念して様々な事業を行う『MIEBRAS PROJECT』の一環。趣旨に賛同した松阪市の「辻製油株式会社」代表取締役社長の辻保彦氏がスポンサーとなり、同社からの寄付や愛伝舎への寄付金、「MIEBRAS」活動の収益金から、10万円ずつ授与した。
 授与式で、榎本さんは「感謝と夢」、浜野さんは「支えてくれた人への感謝の気持ち」と題してスピーチを行い、それぞれ中学生の時にブラジル人学校から公立中学校に転校した後、苦労しながら飯野高校に進学し、教師や仲間、家族に支えられて大学進学を決めた経験談を語った。
 坂本さんは、「嬉しいの一言。05年に始めた愛伝舎は子どもへの支援から始まった。最初の目標の実現になった」と喜んだ。
 授与式にはNHKなど8社の日本のメディアが取材し、注目を集めた。