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クリチーバ総領事館=「世界のトップで学べる」=研究留学で非日系3人訪日

ニッケイ新聞 2013年4月11日

 在クリチーバ日本国総領事館(内山美生(よしお)総領事)は、「2013年度文部科学省国費外国人留学生(研究)」で3人を派遣する。
 修士号取得を目指すペドロ・エンリケ・コスタ・クルスさん(24)、博士号取得を目指すワグネル・ルイス・シュミッチさん(31)、リカルド・モラエス・ムニス・ダ・シルヴァさん(31)のいずれも非日系人が研究留学生として選ばれた。
 先月22日、総領事公邸で説明昼食会を開かれ、元留学生など、関係者約20人が参加した。
 3人を出迎えた内山総領事は「このプログラムを活かし、専門分野を極めて欲しい。各町の日本文化に触れ、日本の良さを感じて来てもらいたい」と激励した。
 パラナ連邦大学の生物学部を昨年卒業したペドロさんは、大阪大学大学院医学系研究科に所属し、「より効果的、特異的なRNAi/RNAの干渉法の改良」をテーマに研究に取り組む。同連邦大学の語学スクールCelinで日本語の勉強にも力を入れた。「この分野で世界トップの大学で学べる」と、期待を胸に語った。
 ワグネルさんはロンドリーナ州立大学で心理学を専攻後、同大大学院で教育学の修士課程を修了。今回、筑波大学大学院の人間総合科学研究科で文化心理学的分析としてのRPG(ロールプレイングゲーム)を研究する事が決まった。
 すでにロンドリーナ州立大学で教鞭をとった事もあるというワグネルさんは、将来は大学教授を目指すという。「今後の大学同士の交流、日本の心理学者との交流に貢献したい」と思いを語った。
 コンピュータ工学を専門とするリカルドさんは、クリチーバのポジチーボ大学を卒業後、パラナ連邦大学大学院で修士号を取得。08年に名古屋工業大学で短期留学を行った経験から日本での研究に興味を持ち、同大の教授とずっと連絡を取り続けてきた。
 今年、ようやくその夢が実現し、同大大学院の工学研究科で顔面神経麻痺のリハビリテーションシステムを研究する。「リハビリ期間の短縮を図りたい。その日本の技術をブラジルへと持ち帰りたい」と意欲を見せた。
 同日夜には、総領事公邸でパラナ元留学生協会との懇親会も開かれた。3人は今月1日、日本へ向けて出発した。(長村裕佳子クリチーバ通信員)