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ベネズエラ=後継者か反チャベスか=大統領選投票日は14日

ニッケイ新聞 2013年4月12日

 ウーゴ・チャベス前大統領死去に伴う大統領選の投票を14日に控え、ニコラス・マドゥーロ、エンリケ・カプリレス両候補の陣営が追い込みに入っている。11日付伯字紙が報じている。
 3月5日のチャベス大統領死去に伴って行われる新大統領選挙は、チャベス氏から後継者指名され、現在は暫定大統領のマドゥーロ氏と、野党連合の民主連合会議(MUD)選出で昨年10月の選挙でチャベス氏と大統領の座を争って敗れたエンリケ・カプリレス氏との一騎打ちとなる。
 両者は10日、同国西部でそれぞれ選挙演説を行った。トゥルジーロ市で数千人を前に演説したマドゥーロ氏は、政府が3300万ボリバル(520万米ドル)を開放すると発表し、暫定大統領職と公金を利用したキャンペーンと批判を受けている。カラカス市内でのキャンペーンでは公用車や地区高官らも利用するマドゥーロ氏のやり方を、シモン・ボリバル大学のホセ・ヴィセンテ・カラスケロ教授は「大統領と候補者の立場を混同するチャベス時代の悲しい伝統」としている。
 選挙キャンペーンは11日までで、10日にはアルゼンチンのサッカーの英雄、ディエゴ・マラドーナが、マドゥーロ氏の最終日の演説応援にかけつけた。
 一方、カプリレス氏はリベルタドーレ市で演説し、12年に20%の高インフレを記録したチャベス・マドゥーロ路線を批判。「社会福祉政策は政権交代があっても継続するし、国の援助を得るために特定の党の党員になる必要はありません」と語って、チャベス主義を否定した。同氏はルーラ前大統領による「ルーリズモ」信奉者として知られ、南米を代表する歌手のアレハンドロ・サンズとウィリー・コローンも10日に同氏への支援を明らかにしている。
 大統領選挙は14日に行われ、当選者は19日に大統領に就任する。任期は6年間となる。