ニッケイ新聞 2013年4月17日
モジ市セントロ区にある浄土真宗本派本願寺(清水円了主管、門徒家族数約350)が2年前から新しく寺の建設を進めている。現在の寺は築65年で傷みがひどく、敷地も手狭で駐車場もないなど不便を強いられてきた。清水主管は「10年ほど前から移転の話は上がっていたが、資金不足で計画倒れの状態だった」と明かす。門徒であり、複合リゾート施設「パラダイス」の経営者堀井文夫さんに窮状を相談した所、快く支援を承諾。多額の資金と土地の寄付を受け、念願の着工に至った。工事は順調に進行しており、現在、約4割が完成している。完工見込みは2016年だという。
現在の寺は老朽化も進んできた上、「敷地一杯に上物が建っている状態」で、移転は喫緊の課題だった。その窮状を知った堀井さんは快く、自身が経営するゴルフ場やホテル等が併設されたリゾート施設「パラダイス」の隣接地約1ヘクタールを寄付、さらに多額の資金援助を行った。
清水主管によれば、堀井さんは先祖からの信者。「先祖のお蔭で成功させてもらったという気持ちを持っている」信仰心の厚い人物。寺のみならず、コロニアの福祉団体などに度々援助を行う篤志家でもあり「絶大な支援のおかげで実現した」と喜びを語る。
工事は職員用住宅と、本堂の屋根と骨組みが完成した段階。会館も新築し、「地方の寺で持っている所はそうない」(清水主管)という納骨堂も設置する。
ブラジル全体の同宗信者数は約1万5千人といわれており、1950年に設立した浄土真宗本派本願寺南米教団には、モジ本願寺を含めた35カ寺、20仏教会が所属している。