ニッケイ新聞 2013年4月24日
連邦最高裁判所が22日、メンサロン裁判に関する統合判決書を発表、10日間の期日で被告弁護士からの上告を待つ。焦点は4票以上の無罪票を獲得していた12人の被告の再審となりそうだ。23日付伯字紙が報じている。
22日、最高裁は8405頁に及ぶメンサロン裁判の統合判決書の発行を行った。被告側弁護士はこの判決書に矛盾点などがないか詳細に目を通し、異議があれば、10日以内、すなわち5月2日までに異議を申し立てなければならない。
統合判決書では5人の判事が口頭で発言した内容の削除を行っており、計1335回分の発言が削られた。ルイス・フクス判事は口頭で差し挟んだ発言を全て削除しており、「同じ内容の繰り返しを書いて判決書が無闇に長くなるのを避けた」と説明している。セウソ・デ・メロ判事は差し挟んだ発言の一部を残したものの、805回分の発言を削除している。
判決書は25人の被告を対象にしたもので、最高裁判事たちが「4票以上の無罪票を獲得した罪状に関しては再審議が起こりうる」と事前に語っていたことから、12人の被告に一つずつある12の罪状についての再審請求が通れば、再審議の終了後に出る判決文ですべての刑が確定する。
再審請求が通れば、元官房長官のジョゼ・ジルセウ被告の場合、「贈賄」に関しては有罪のままでも、4票の無罪票を獲得した「組織的犯罪計画」が再審対象となる。ジルセウ被告はこの罪で2年11カ月の刑を言い渡された。元下院議長のジョアン・パウロ・クーニャ被告は、5票の無罪票を獲得した「マネー・ロンダリング」が再審対象となり、3年分の刑の行方が左右される。
刑の見直しの可能性があるのは、ジョゼ・ジェノイーノ被告、デルービオ・ソアレス被告といった労働者党(PT)の被告以外に、主犯として懲役40年以上の実刑判決を受けた企業家のマルコス・ヴァレーリオ被告や同氏の企業関係の3被告、元農業銀行頭取と副頭取の2人の被告、仲介業者ボヌス・バンヴァルのブレーノ・フィッシュベルグ被告、進歩党(PP)元秘書のジョアン・クラウジオ・ジェヌー被告。クーニャ、フィッシュベルグ、ジェヌーの3被告は「マネー・ロンダリング」で、残る9人は「組織的犯罪計画」での裁判となる。
再審となれば、投票結果が前回と異なったものとなり、対象となる罪状での刑を免れる可能性がある。それは、12人全員に有罪票を投じたアイレス・ブリット前長官とセーザル・ペルーゾ判事が定年退職で職を退いたためだ。再審には、ペルーゾ判事の後任のテオーリ・ザヴァスキ判事と、今後発表される予定のブリット前長官の後任判事が参加するものと見られる。
ロベルト・グルジェル連邦検察庁長官は、最高裁は再審請求を受け入れるべきではないと考えており、異議の申し立てが終わり次第、刑の執行に移りたいと語っている。