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大サンパウロ市圏=オゾン汚染10年で最悪=排気ガスと少雨が原因か

ニッケイ新聞 2013年4月24日

 2012年の大サンパウロ市圏では、大気中のオゾンが「人体に危険」なレベルに達した日の数が、ここ10年で最悪だったことがわかった。23日付伯字紙が報じている。
 これは環境浄化技術公社(Cetesp)の調査で明らかになったもので、昨年中の大サンパウロ市圏で「安全基準を超えるオゾン汚染」を記録したのは98日、「標準〜悪い」を記録した日は全体の54・1%だった。
 大サンパウロ市圏内19の観測点中、オゾン濃度が安全基準を超えた日が最も多く観測されたのは、サンパウロ市南部イビラプエラとABC地区のサンカエターノ・ド・スールで、それぞれ17日記録した。
 サンパウロ連邦大学(Unifesp)で気管支系疾病を専門とするクリステネス・ソアレス教授は「喘息や鼻炎、肺気腫を患っている人は余計苦しいし、長引けば、重度の炎症を起こす可能性もある」と警告。オゾンによる汚染は晴れた日に起こりやすいという。
 また、サンパウロ市から50キロ離れたジュンジアイーなどでも安全基準を超えた日が10日あったことから、サンパウロ市上空の汚染した空気が風によって運ばれたと見られている。
 オゾン汚染が悪化した主な原因は、サンパウロ市だけで700万台を超えた車の排気ガスだが、少雨高温で太陽光の影響を強く受けたことも、オゾン汚染を拡大させた。サンパウロ総合大学(USP)で環境汚染を専門とするパウロ・サウジーヴァ教授は「環境に優しいと称される進化型の車でも環境汚染は起きるし、エタノールもガソリンやディーゼル同様に空気を汚す」と語っている。
 二酸化窒素や二酸化硫黄、大気中の浮遊物質葉が安全基準を超えた日はなく、一酸化炭素は常に標準レベル以下だった。

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