ニッケイ新聞 2013年4月25日
サンパウロ州海岸部のサントス市で22日、H1N1型インフルエンザで脳死となった妊婦が帝王切開を受けたと24日付フォーリャ紙が報じた。サンパウロ州での今年のH1N1患者は18人で、死者も既に3人出ている。
H1N1型は2009年に大流行し、豚インフルエンザと騒がれた感染症で、サンパウロ州でも1万2千人の感染が確認され、600人以上が死亡した。
サントスで脳死と判定された妊婦は、妊娠7カ月で、先週から入院治療を受けていたが、症状が悪化して脳死と判定された時点で、胎児を救うために、緊急の帝王切開が行なわれたという。
サンパウロ州内での死者は、サンパウロ市とサンジョゼ・ド・リオ・プレット、カタンドゥーヴァの3市で確認されているが、今年のインフルエンザの予防接種にはH1N1型のワクチンも入っているので、サンパウロ州保健局も26日(金)までのキャンペーン利用をと呼びかけている。23日の時点で接種率が最も高いのは海岸部のペルイベだが、それでも対象者の48・67%だ。
インフルエンザの予防接種キャンペーンの対象は、60歳以上の人、生後6カ月〜2歳の乳幼児、先住民、妊婦、医療関係者、慢性病疾患の患者など。ポスト・デ・サウデでも午後5時まで受けられるので忘れずに。