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ニッケイ新聞 2013年4月25日

 今週末広島県人会である公演会『Extra-Ordinarios』。主催団体「ヌークレオ・ハナ」の関係者らは、日本人移民百周年では日本・日系人の「成功」史しか取り上げられなかったとして、今回の企画では歴史のB面(Lado B)に焦点を当てたとか。演じるのは物語の当人たち。一風変わった劇を鑑賞できそう。
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 ブラジル日本文化福祉協会でも通常会計は年間200万レ程度、通常の県人会なら10〜20万レであり、援協は日系団体の中では別格の予算規模を誇る。そんなマンモス団体の存続が危うくなるかも—との危機感は、総会ではあまり共有されていなかったよう。サンタクルス病院も公益団体登録を停止され、再審査を受けている。これは3年ごとに再承認を受ける必要があり、登録されても気を抜けない。いつの日か、友好病院がアインシュタインやシリオ・リバネースなどと並ぶ一流組織として知られる時が来るのだろうか。
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 2週間ほど前、来伯中だった国際日本研究センターの細川周平教授を連れて、水野昌之さんと大浦文雄さんがモジの則近正義さん宅を訪れた。「その時はとても元気そうでね。こんな話をしていたよ」と大浦さんは思い出す。則近さんは「僕が生まれた時、医者からこの子は身体が弱いから100日しかもたないと言われたそうだ」と前置きし、「それが91歳まで生きたんだから」と満足そうにしていたとか。代表作は小説『断絶』『戦友』など。合掌。