ニッケイ新聞 2013年4月26日
コンサートや演劇、スポーツなどの半額入場券の利用を全体の40%までにする法案が、下院の憲政委員会(CCJ)で承認された。24日付伯字紙が報じている。
半額券の利用が認められるのは学生などだが、近年のコンサートなどの入場者は70〜90%が半額券を購入している。このため、コンサート業界は国外からの有名歌手やバンドの来伯公演が増えているのに売上が伸びず経営に苦しみ、半額入場の規制を求めていた。
今回の法案は、半額券での入場を全体の40%までに制限し、その代わりにチケット本体の値段を20〜35%下げることを定めている。
この法案は直ちに上院に回すことが出来る性質のものだが、下院には、高齢者をこの40%枠からの対象外にする、つまり枠に関係なく従来通り半額で入場できるようにすべきだと考えている議員がおり、本会議にかけるよう働きかけている。
半額券が利用できるのは、学生や高齢者、身体障害者や29歳以下の経済的に恵まれない青年と規定されており、16日に上院が承認した青年憲章の対象者を拡大した。法案の発案者であるエドゥアルド・アゼレード下議(民主社会党・PSDB)は「高齢者だけを除外したら、(公平さを求めた)法案を立ち上げた意味がない」と反論している。
コンサート興行や演劇、映画関係者は、今回のこの法案に対して概ね好意的で、「これで市場が公正になる」「公演の本当の値打ちがわかる」と語っている。
関係者が問題にしているのは不正学生証の大量発行だが、今回の法案では全国学生連合(UNE)、全国大学院生協会(ANPG)、ブラジル中等教育学生連合(UBES)の3つか、その関連企業にのみ学生証発行を許可している。