ニッケイ新聞 2013年4月27日
第1四半期の工業部門の電力消費量が、12年同期と比べて2・4%落ち込んだことが明らかになった。26日付エスタード紙が報じている。
鉱山動力省直轄の電力調査公社(EPE)によると、13年第1四半期の電力消費は毎時4万4100ギガ・ワットで、昨年同期の毎時4万5200ギガ・ワットより減少。特に3月の落ち込みが大きく、1月と2月は前年同期比で0・4%、1・6%ずつ増えたのに対し、3月は前年同期比で3%落ちた。
ジェトゥリオ・ヴァルガス財団(FGV)の経済学者シルヴィオ・サレス氏によると、第1四半期の電力消費の落ち込みは工業生産の減少とも関係がある。「輸出との関連性が強い鉱山資源の採掘や鉄鋼生産の縮小などは、電力消費量にも表れる。工業部門は2011年から横ばい状態だ」と語っている。
EPEの報告でも、3月に工業部門の電力消費量が落ちたのは、資源採掘部門と鉄鋼部門での生産縮小と関係があるとしている。地区別でみた電力消費量は、マラニョン州12・9%、パラー州12・8%、ミナス・ジェライス州7・1%、ゴイアス州6・1%、エスピリトサント州3・6%の落ち込みとなっている。サンパウロ州は自動車生産部門と鉄鋼生産部門で伸び悩み、1・9%の減少となった。
一方、応用経済調査院(Ipea)の経済学者パウロ・レヴィ氏は「EPEの数字はもっと楽観的な評価も可能だ。電力消費が落ち込んだのは電力消費量が多い特定部門であり全体ではない」と語っている。
第1四半期の全部門の電力消費総量は前年同期比2・5%増だが、3月は0・5%減少した。一般家庭の電力消費は前年同期より6・6%増加しており、家電製品取得とその使用が主な原因と見られている。また、商業部門、サービス業部門の消費も6%以上伸びた。