ニッケイ新聞 2013年4月27日
今年のデング熱患者が昨年の4倍弱とブラジルメディアで報道された。流行宣言が出たのは海岸部6都市のみだったが、日伯友好病院に問い合わせたところ、今年に入ってからの患者数は16、47、99と増加、4月23日の時点で136人が病院で治療を受けている。肌寒い日が増えてきたものの、まだまだ予断を許さない状態のようだ。感染を防ぐために自宅で出来ることや感染した場合の対処法について、リベルダーデ医療センターの身吉リディア・ミネ医師(54、二世)に聞いた。
ウィルス感染後、発症までの潜伏期間は4〜10日間といわれる。「ウィルスは1、2、3、4型があり、それぞれ抗体が異なるので、一度罹ったからと言って油断は禁物」と警鐘を鳴らす。
ほぼ症状が現れない軽症、もしくは高熱、倦怠感、筋肉痛、倦怠感、食欲減退、目の奥の痛み、はしかに似た皮膚発疹といった一過性熱性疾患の症状を呈する場合が7〜8割を占めるが、時には病態が悪化し、鼻や消化器からの出血が伴うデング出血熱や、ショック状態を引き起こすショック症候群を発症することもあるという。
「重度の場合は死に至ることもあるので、早めの措置が必要。万一、デング熱らしい症状が現れた時は、脱水症状を避けるためしっかり水分を取り、すぐに医療機関に行くことです」と話す。特に子どもの場合は早急の診察が肝要だ。
一方、「高齢者の場合は高熱が出ないことも多いので、熱のあるなしより体全体の状態で判断することが大切」とアドバイス。よく使われる解熱鎮痛剤アスピリンは出血を悪化させるため、感染の疑いがある場合はアセトアミノフェン(ポ語名Paracetamol)での代用を勧める。
医療機関としてベストなのは救急病院だが、近くになければその場で検査結果が分かる感染症専門病院や大学の付属病院、ポスト・デ・サウーデをが良いという。