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同性愛者の「治療」許可?=フェリシアーノに新たな物議

ニッケイ新聞 2013年5月3日

 同性愛差別や人種差別発言で物議を醸しているマルコ・フェリシアーノ氏が委員長を務める下院の人権委員会で、同性愛者が精神科に治療を求めることができるようにする「クラ・ゲイ」と称する法案に対する投票が8日に行われることが明らかになった。2日付伯字紙が報じている。
 「クラ・ゲイ」はジョアン・カンポス下議(民主社会党・PSDB)が2011年に発案し、アンデルソン・フェレイラ下議(共和党・PR)によって報告されたものだ。両議員は共に福音派の牧師でもある。
 同法案は、連邦心理学審議会(CFP)が1999年に定めた第3条と第4条を差し止めるというものだ。そこでは、精神医は、性別の選択に関して「疾患」と結びつけること、同性愛を病として患者を治療する行為が禁止されている。
 フェレイラ下議はクーニャ下議が行った発案について「これは精神科医の職務の制限を解き、同時に自身の性の問題に悩む人が精神科医を選ぶことの自由を定めるものだ」と語っている。
 一方CFP側は、「CPFが決めたのは、性の選択で悩んでいる人の声を聞くのを拒否することではなく、相談者を異性愛者になるよう勧めたり強制するといった、偏見に基づいた判断を下すことをしてはならないということだ」との判断を示している。
 またCFPは、同法案に関する議論が、「敬意に欠けた排斥的かつ恥辱的な観点で進んでおり、議会が原理主義宗教や同性愛嫌悪の立場から生み出した暴力行為」と批判的な見方を行っている。
 また、8日には異性愛者差別を禁止する法案に対する審議も行われる。下院人権委員会は18人中10人を福音派議員が占め、同性愛差別発言で知られるフェリシアーノ委員長は3月7日の就任以来、人権団体から辞任要求を受け続けている。