南米の気温2度上昇!=北東伯での干ばつも激化=温室効果ガスの増加続く
ニッケイ新聞 2013年5月4日
北東伯では過去50年間で最悪の大干ばつが起き、全伯の自治体の5分の1近い1100市で被害が出ている。2012年は地球上の気温が最も高かった年の一つで、ブラジルを含む南米諸国の平均気温は平年の値を1〜2度上回ったと2日付エスタード紙が報じた。
2日に行われた世界気象機関(WMO)の発表によると、12年の世界気温は1961〜90年の平均気温14度を0・34〜0・56度上回り、1850年の観測開始以来、9番目に高かった。過去最高は12年より0・1度程度高かった2010年だが、12年の場合、2011年末から起きた、太平洋赤道付近の南米沖の水温が下がる「ラニーニャ現象」のため、1〜3月の水温が1997年以降最低だったにもかかわらずの気温と水温上昇だった。
温暖化は毎年の気象や火山爆発といった出来事でばらつきが生じるが、12年の異常気象として注目された事の一つが北東伯の大干ばつだ。気温上昇は、ブラジル全体でも水力発電所のダム貯水量が例年の水準を割るなどの影響を及ぼした。北東伯では家畜が食べる餌や飲み水にも事欠き、家畜の屍が塁をなす地域や家畜を移動させたりする必要に駆られた農家が続出した他、野菜や果物の収量や搾乳量の激減など、経済面の影響も大きい。
干ばつが最も厳しかったのは3〜5月で、降水量は平年より300ミリ少なかった。11年4月と12年4月の降水量を見ると、北東伯では降雨ゼロの地域が急増、少雨も含めた降水不足が全体の3分の2以上を占めた。
気温上昇が最も顕著な南米では、アルゼンチンが1961年以来の最高気温を観測など、広範囲で影響が出ているが、世界的には、ロシアや北米、北アフリカでも気温上昇や厳しい干ばつが起き、農産物などに深刻な影響が出た。
二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガス排出量は1990年代より急速に拡大しており、二酸化炭素ガスはイギリス産業革命前の1750年当時より40%、メタンガスに至っては159%も増えた。温室効果ガス総量は、1990年比30%増となっている。
年間平均気温が29年連続で14度を上回った12年は、北極の氷が過去最高だった2007年より18%多い340万平方キロ消失。8月は1日9万2千平方キロ消失し、氷原は過去30年平均の49%に縮小。海面は1880年当時より20センチも高くなった。温室効果ガス濃度の上昇傾向は温暖化が今後も継続する事を意味し、ブラジルでも、干ばつや集中豪雨といった異常気象の激化や頻発化が懸念される。