ニッケイ新聞 2013年5月7日
エスピリト・サント州ヴィトリア日系協会(大内八郎会長)が創立30周年記念事業の一環とし、宮崎県東諸県郡綾町立綾中学校の柔道部員ら15人(男子8人、女子5人、丸山隆史監督、顧問、引率員)を受入れ、10日間の柔道交流を行った。リオ州日伯文化体育連盟、リオ日系協会、在リオ総領事館が後援した。
交流に参加したリオ、ヴィトリア両市の柔道選手(12〜14歳)らに、同校柔道部から「柔道家の基本的な姿勢」や「基本技術の奥深さ」「潔い柔道」が伝えられた。
同日系協会の高崎精介さんによれば、「こうした価値観の伝達は、選手だけではなく指導者にも大きな感銘を与えた」という。
当地の選手らは「日本の柔道をもっと学びたい!」と、終了時間を過ぎても帰らず練習に励んだ。また、使った畳の手入れをする綾中柔道部員を見て、2日目からは当地の指導者も共に仲良く後片付けを始めた。選手、指導者共に学び合える充実した交流となった。
同交流は、約20年前に元JICA開発青年日本語教師としてヴィトリア日本語モデル校に派遣されていた教師の奥誠司さんが、綾町長と綾中学校校長に呼びかけて実現した。高崎さんは「日系協会への恩返しの気持ちで実現された、温かい交流だった」と話した。