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両院議長とメンデス判事再会談=審議差止めや法案巡り=上院議長が遺憾の意表明=多政党制の原則はどこへ

ニッケイ新聞 2013年5月9日

 【既報関連】新政党への政党資金や選挙時の放送時間の割り当てを制限する新党規制法案の上院での審議差し止めや、最高裁の権限を弱める憲法改正案(PEC)33に関し、上下両院議長とジルマル・メンデス最高裁判事が7日に再度の会談を行ったと8日付伯字紙が報じた。

 議会と最高裁との間で高まった緊張を解消するため、レナン・カリェイロス上院議長とエンリケ・アウヴェス下院議長(共に民主運動党・PMDB)がジウマル・メンデス最高裁判事と会談するのは、4月29日に次いで2度目。前回は和解への色合いが強かったが、今回は、レナン議長が会談後、「議会は事前の干渉を受入れない」と牽制する発言を行った。
 議会と最高裁との間の緊張が高まったのは、4月25日の下院の憲政委員会(CCJ)が、最高裁が違憲と判断した法案を議会が再審議する事などを盛り込んだPEC33を定足数にも満たない人数で承認した事と、同日出た上院での新党規制法案審議差し止めの暫定令が直接的な原因だ。
 下院CCJが構成員の3分の1にも満たない人数でPEC33を電撃承認した事は、下院議長にとっても寝耳に水で、合憲性の判断は最高裁の権限と認めた同議長が法案審議を凍結、4月29日の会談後にはお蔵入りと報じられたが、その後も労働者党(PT)議員らが同様の内容の議案提出の動きを見せており、PMDBとブラジル社会党(PSB)が、PT議員を排除してCCJを進める事を内諾した。
 他方、下院が既に承認済みの新党規制法案は、4月25日の上院で緊急審議とするか否かを決めるための本会議が流れた直後、メンデス判事による暫定令で審議差し止めのまま。7日の会談ではメンデス判事から検察庁に検討を指示したと報告があったが、検察庁からの起訴を受けて最高裁の本審議となるまで法案審議の再開はない。審議差し止めの暫定令発令直後に「侵害行為」と非難したレナン上院議長は7日も、法案審議は立法府としての議会の務めであり権利だから、審議も始まらないうちに差し止めというやり方は不当との考えを再び口にした。
 だが、政府の圧力で審議が急がれている新党規制法案が14年の大統領選でジウマ大統領を圧倒的に有利にする事は明白で、新党の持続ネットワーク(RS)設立作業中のマリーナ・シウヴァ氏や、既存政党が統合して出来た民主運動(MD)と連合を組みたいエドゥアルド・カンポス氏(PSB)らには、審議の先延ばしや法案消滅は願ったり叶ったりだ。
 マリーナ氏は、同法案は多政党制の根幹を揺るがし政党結成の自由も侵害すると主張。7日にはジョアキン・バルボーザ最高裁長官を訪ね、同法案の差し止めを求めた。同法案は上院で否決される可能性がある上、承認されても最高裁が違憲判断を下す可能性が強い事は政府も了承している。

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