ニッケイ新聞 2013年5月9日
3日にリオで起きたマイクロバスでの強盗・強姦事件の犯人が、16歳の少年であったことが判明した。8日付伯字紙が報じている。
事件は3日午後3時30分頃、ブラジル大通りに向かっていたバング〜カリオカ間を運行するバスで起きた。武器をもって乗車した犯人は、乗客を車両後方に移動させ、乗客の1人に所持品を集めさせた上、武器で脅しながら30歳前後の女性を乗客の目の前で強姦した。恐喝された運転手はこの間もノンストップで走行を続け、犯人はブラジル大通りの終わり付近で下車して逃げた。犯行は約40分に及んだ。
市警は、バスの防犯カメラの映像を公開。通報などから、リオ北部イラジャー地区のファヴェーラ・パラ・ペドロに住む16歳の少年であることをつきとめた。少年の継父の所在を掴んだ市警は6日、「少年が麻薬密売者たちに消されるのを避けるため」と継父を説得し、自首させるよう促した。少年はフルミネンセ海岸部にある祖母の家に隠れていたが、継父らの説得に応じ、7日に国道40号線のワシントン・ルイス高速道近くで警察に引き渡された。少年の家も祖母の家も麻薬取引で有名な地区にある。
少年は、犯行時はコカインを使って気分が昂揚していたと供述。犯行については後悔の念を抱いているという。
警察によると、犯行の理由は「17歳の誕生日を祝うための金が欲しかった」からだという。誕生日は今月12日で、犯行時に使った銃はドゥキ・デ・カシアスで450レアルで買ったが、犯行後になくしたという。
これで4月9日のサンパウロ市東部ベレンでの大学生殺人事件、25日の大サンパウロ市圏サンベルナルド・ド・カンポでの歯科医焼殺事件に続く10代の犯罪となった。サンパウロ州では既に児童青年憲章を見直して成人年齢を引き下げるよう叫ばれているが、拍車がかかりそうだ。