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ジウマ大統領=港湾法案の通過に奔走=議会では不本意な連敗続き=来週の投票まで徹底抗戦=議員との関係作り課題に

ニッケイ新聞 2013年5月11日

 議会との関係に苦心するジウマ大統領が、港湾法案の改定案を通そうと懸命だ。また、同大統領と議会や連邦議員との関係強化は14年大統領選挙に向けた課題でもある。10日付伯字紙が報じている。

 ジウマ大統領の意図する方向性が議会によって否定される事態が続いている。森林法や石油のロイヤルティの法改正も不本意なものとなり、審議中の商品流通サービス税(ICMS)法案も上院で提出された修正案が政府の思惑に沿わないものとなっている。
 そして、来週再審議される港湾に関する暫定措置令(MP)も、民営港湾が他の企業の積荷を輸送することを許可するという部分が企業間の競合を招くとして与党議員が反発。7日の下院では与党議員が修正案を出して議論が激化し、投票が延期された。来週の投票でも結局は通過せず、期日の16日には失効するとの見方も出ている。
 だが、産業効率化のためのインフラ整備を目指すジウマ政権にとり、港湾部門潤滑化の足かせとなる要因をなくすことは至上課題だ。大統領もなんとかMPを通過させようと、9日にミシェル・テメル副大統領とイデリ・サルヴァッチ大統領府政治調整担当長官との作戦会議を行った。
 下院での再審議は13日に行われることになっており、エンリケ・アウヴェス下院議長は、大臣たちも動員し、できるだけ多くの下院議員をブラジリアに集める算段だ。
 また、このMPは15日までの上院での承認が必要なため、レナン・カリェイロス上院議長も迅速に投票を行うことを約束している。
 「議会側をまとめられない」ということから、連立与党内からはイデリ長官を更迭しろとの声も上がっているが、ジウマ大統領には今のところその意思はないという。
 同じく9日、ジウマ大統領はルーラ前大統領や労働者党(PT)党首のルイ・ファルコン氏、14年選挙の参謀役を務めるアロイジオ・メルカダンテ教育相と昼食会を開き、14年大統領選挙について話し合ったが、その席でも、大統領と議会や連邦議員との関係が弱いことが指摘された。
 この対策の一つとして、ジウマ大統領が連邦議員の選挙区に行くときには、大統領専用機に議員を同乗させること、議員たちの地元の市に対する企画に関する議員割り当て金の支出を促し、議員の票田を固めるのを手伝うことなどが話し合われた。PT陣営は、14年の大統領選挙に向け、連立与党の議員や市長をくまなくジウマ氏の再選プロジェクトに組み込みたいとしている。
 また、この昼食会では、14年大統領選挙への立候補が予想されているエドゥアルド・カンポス氏(ブラジル社会党・PSB)についても話し合われた。ルーラ氏はカンポス氏と同党を連立体制の中につなぎとめることを望んでいるが、政府内ではPSBは野党として扱うべきで、同党が請け負っていた職務は他の連立与党に譲るべきとの声が強いという。

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