ニッケイ新聞 2013年5月14日
パウリスタ都電公社(CPTM)で頻発する電車の遅れなどの不具合は、同線の近代化を目的としていた工事の遅れが原因と13日付フォーリャ紙が報じている。
ここ数カ月、CPTMでは電車の到着遅れや長い行列ができるなどの問題が頻発している。その顕著な例が先週7号線と11号線で起こった、電力供給トラブルによるダイヤの乱れだ。
8日に起きた、大サンパウロ市圏ポアーを走る11号線のカウモン・ヴィアーナ地区の変電所での送電トラブルでは、50分間に渡るダイヤの乱れを生じさせ、サンパウロ市東部の住人の足に被害が出た。このとき電車に乗っていた人によると、グアイアナーゼス〜ルス駅間が通常の倍の1時間11分かかり、「喚気が悪くて気分が悪くなった」という。
これらの不具合の主な原因は、CPTM5線で行われている12の工事の遅延だ。遅れているのは電力供給システムや送電線、線路などの近代化工事で、いずれも2011年ないし12年には完了しているはずのものが、軒並み遅れている。8号線では四つ、10号線では三つの工事が並行して行われ、7号線の電力システム工事は、2011年7月完成予定のはずが2014年1月完成予定など、平均1年8カ月の遅れが出ている。
CPTMは、現在問題になっているダイヤの乱れ(遅れ)について具体的な理由を発表していないが、同公社によると、11号線と12号線での信号工事により、電車の流れを通常どおりに保つのが難しくなっているという。11号線は14年までにスザノまで延長して運行される予定だ。
CPTMは、電車緊急停止時の代替バス運行回数が10年の49回から12年には28回に減ったと改良を主張しているが、逆に同期間中の深刻な送電トラブルは5回から10回に増えている。