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伝統製法を変えて順応=伊最大の食品会社バリラ

ニッケイ新聞 2013年5月15日

 イタリア最大の食品会社で136年の伝統を持つバリラが、シェア拡大のため、伝統製法を変える〃ジェイチーニョ・ブラジレイロ(ブラジル的小細工)〃採用と6日付エスタード紙が報じた。
 イタリア北部パルマでピエトロ・バリッラが作り始めた麺やパスタが100カ国以上で売れているバリラだが、同社が作る強力粉と呼ばれる粘りの強い粉で作った麺類はブラジルでは少数派で、年100万トン売れる麺類の3%止まりだ。これは、ブラジルの小麦粉が粘りが少なく廉価な薄力粉であるためで、バリラもシェア拡大に苦労していた。
 この状況を打破するために初の試みとして採用され、今月から南東伯の店先に並び始めたのが、現地メーカーと共同開発し、ミナス州で作った新製品の麺やパスタ。新製品用のソースもサンパウロ州内陸部で開発した同社は、2020年までにブラジルを世界の5大市場にし、同年の全世界の売り上げを現在の31億ユーロの倍にと意気込んでいる。
 500キロ以上遠い所に売り込むのは採算が合わないといわれる麺業界だが、サントス着荷の商品を全国販売してきたバリラは、新製品で全国制覇し、現在1万2千トンの販売量を10倍に増やす事を目標としている。