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サンパウロ市=PUC学生が銃弾受ける=軍警への再規制で救助遅れる

ニッケイ新聞 2013年5月17日

 サンパウロ市西部で14日夜、カトリック総合大学サンパウロ市校(PUC—SP)の学生が強盗に襲われ、首に銃撃を受けたが、被害者の救助は、軍警への再規定が足かせとなって大幅に遅れた。16日付伯字紙が報じている。
 14日午後8時30分頃、PUC学生のブルーノ・ペドローゾ・リベイロさん(23)は学校近くのカルドーゾ・デ・アルメイダ通りで、携帯電話(サムスン・ギャラクシー)を片手にバス停に向かっていたとき、ヘルメットで顔を隠した強盗に襲われた。ブルーノさんは無抵抗のまま携帯電話を渡したが、強盗はブルーノさんの首筋を撃ち、バイクに乗って逃走した。
 ブルーノさんはクリニカス病院の集中治療室に運ばれたが、救急車が到着したのは、事件に気づいた歩行者が警察に通報してから約30分後だった。軍警は事件から数分で現場にかけつけたが、州が軍警に課していた規制により救助することができなかった。
 サンパウロ州は今年1月、軍警が暴力事件の被害者を救助するのを禁止し、救急車両の到着を待つように制定した。それは、救助を装った軍警が被害者を殺害したりするのを避けるためだが、州検察局がこれに反対したため、今月13日に裁判所はこの規制を差し止めた。
 だが、その翌日、今回の事件が起きるまさに数時間前にサンパウロ州第4地方裁判所が判断を逆転させ、軍警の救助が禁止されたため、ブルーノさんの救助が遅れてしまった。ブルーノさんは気管の手術を2度受け、重体だ。PUCの学生たちは、学校周辺の警備の強化を訴えている。
 また、同日午後11時50分頃、ピニェイロス区のアルトゥール・アゼヴェド通りでパン屋の従業員のエジオマリオ・ドス・レイス・シウヴァさんがバイクに乗った2人組の強盗に襲われた上、射殺された。エジオマリオさんはブルーノさんと同じ型の携帯電話とカバンを奪われたが、無抵抗だったとされている。