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スカートはいて偏見に抗議=「性のあり方」問う学生たち

ニッケイ新聞 2013年5月18日

 同性愛が話題になる昨今、サンパウロ総合大学(USP)の学生たち16日、性に対する偏見に対し、男子学生がスカート、女子学生がスーツにネクタイで歩く抗議活動を行った。17日付伯字紙が報じている。
 同性愛への差別的発言で批判を受け続けている下院人権委員会のマルコ・フェリシアーノ委員長や、15日の全国司法委員会(CNN)による全国の登記所での同性愛結婚の拒否禁止など、ブラジルでは同性愛が大きな話題となっているが、そんな最中、USPの学生たちも独自の方法で、既存の性のあり方への偏見に対して異を唱えた。
 サンパウロ市東部キャンパスで服飾を学ぶヴィットル・ペレイラさんは自分の体型に合うからという理由でスカートを着用しているが、フェイスブック上に匿名で無数の中傷的な書き込みをされたため、同大学の友人たちが「サイアッソ」と名づけた抗議行動を計画した。
 抗議行動当日、サンパウロ市中央部ラルゴ・デ・サンフランシスコの法学部では男子がスカート、女子がネクタイや帽子、ズボンをはいて通学。参加者たちは「こういう形での抗議は必要」「東部キャンパスの仲間への連帯を示したかった」と語っている。ヴィットルさんも「スカートはより快適で涼しいし、もっと自由でいれる」と語っている。
 ブラジルのデザイナー、ジョアン・ピメンタ氏に傾倒し、同氏のスカートをはきたいが手が出ないというヴィットルさんだが、ピメンタ氏も「男性がスカートをはいてもおかしくない。体の構造的に問題もない。問題はブラジル人が心ではなく服で性別を決めることだ」と語っている。
 ヴィットルさん支援のための抗議行動は、サンパウロ市西部のブタンタン校舎やサンパウロ州リベイロン・プレット校舎でも行われ、サンタカタリーナ州立大学にまで「サイアッソ」の輪が拡大している。