ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | PSDB=アエシオが党首に就任=14年大統領選に備える=FHCの功績に再評価促がす=民営化路線に対し肯定も

PSDB=アエシオが党首に就任=14年大統領選に備える=FHCの功績に再評価促がす=民営化路線に対し肯定も

ニッケイ新聞 2013年5月21日

 18日の民主社会党(PSDB)の党大会で、14年の大統領選出馬が予想されるアエシオ・ネーヴェス上議(52)が党首に選出された。19〜20日付伯字紙が報じている。

 18日の党大会で、アエシオ氏は535票中521票と、98%の得票率で党首に選出された。同氏選出は、昨年12月にカルドーゾ元大統領とセルジオ・ゲーラ前党首がアエシオ氏を交え、同氏を党首に希望すると記者会見を行ったときからの既定路線だった。
 軍政終了後、初の大統領で不遇の死を遂げたタンクレード・ネーヴェス氏の孫としても有名なアエシオ氏は、2003〜10年のミナス・ジェライス州知事で、「ショッキ・デ・ジェストン」と呼ばれる行政改革で同州産業の生産性を高めた手腕が評価された。10年大統領選では当時サンパウロ州知事だったジョゼ・セーラ氏にその座を譲ったものの、当時から同党の大統領選候補の1人だった。
 11年からは上議に転じたが、12年のベロ・オリゾンテ市長選では現職のマルシオ・ラセルダ氏(ブラジル社会党・PSB)を支持し、ジウマ大統領が応援にかけつけて支持した労働者党(PT)候補を寄せ付けずに圧勝させ、PTからも一目置かれている。
 アエシオ氏は18日の就任演説で「PSDBがブラジルを変えるためにやって来た功績に今一度目を向けるべきだ」とし、カルドーゾ政権(1995〜2002年)への再評価を促がした。アエシオ氏は同政権がレアル・プランや財政責任法などを駆使して経済安定化の基礎を作ったと評価、「公共企業の民営化は国の発展に貢献した」とも語った。公共企業民営化は02年大統領選以降、PTがPSDBを攻撃する格好の攻撃材料とされ、歴代候補が公に言及するのを避けてきた項目だ。
 PSDBは02年、10年のセーラ氏、06年のジェラルド・アウキミン氏(現サンパウロ州知事)共、大統領選ではカルドーゾ氏の存在を押し出さないやり方を通してきたが、アエシオ氏の演説はその逆を行くものだ。
 アエシオ氏は大統領選への意欲を残すセーラ氏や同氏を支持するサンパウロ州関係者の心情を配慮し、大統領選には触れようとしなかったが、ルーラ氏とジウマ氏のPT政権が国の停滞を招いたと厳しく批判し、「ジウマ政権の2年間で祝うべきことといえば、惨めなほどわずかな経済成長くらいなものだろう」と語った。
 PTからの政権奪取に関しては、「決して簡単な道のりではないが、不可能なことではない」と語った。アエシオ氏は演説中、「(彼らより)上手くできる」という言葉を3度使っている。
 14年の大統領選には他党との同盟が不可欠だが、民主党(DEM)のジョゼ・アグリピーノ党首は既にアエシオ氏支持を表明済みだ。また、民主運動(MD)党首のロベルト・フレイレ氏も、14年大統領選でエドゥアルド・カンポス氏(PSB)が候補から降りたらアエシオ氏を支持するだろうと答えている。