ニッケイ新聞 2013年5月23日
ブラジルに20年以上住む記録映像作家、岡村淳さん(54、東京)の初の著書『忘れられない日本人移民 ブラジルへ渡った記録映像作家の旅』(港の人、1800円、232頁)が先月刊行された。
約30年にわたる取材活動を通じ、「人間的に非常に面白い」と感じた6人の移民の人生を、彼らとの出会いから現在に至るまでのエピソードなどを交えて描く。2008年に一年間、音楽情報誌『ラティーナ』に発表した連載記事を素材に、約5年かけて新たに書き下ろしたもの。かつてサンパウロ人文科学研究所に勤務した友人の淺野卓夫さんが編集した。
報告のため本紙を訪れた岡村さんは「移民史の中では小文字で書かれるような人だが、人生にダイナミズムがある。日本に住む人が、ブラジルに暮らす移民の話を通して人生を見つめ直す機会になれば」と話している。
岡村さんは1987年に移住し、97年からドキュメンタリーの自主制作を開始。当地の日本移民、社会・環境問題をテーマとした映像作品の制作を行う。近年の作品に「あもーる あもれいら」(全3部)「サルヴァドールの水彩画」「リオ フクシマ」など。