ニッケイ新聞 2013年5月28日
サンパウロ市では強姦事件が1日9件と急増中、また、リオでの強姦問題が世界的に報じられるなど、強姦が深刻な社会問題化しつつある。25日付伯字紙が報じている。
サンパウロ州保安局の発表によると、今年の1〜4月にサンパウロ州で起こった強姦事件は4449件で、前年同期比で10・6%増加した。地区別に見ると、大サンパウロ市圏では2045件で17・2%、サンパウロ市だと1113件で20・8%も増えている。サンパウロ市の場合、25日付本紙で報じたマルジナル・ド・チエテでの自動車の故障中を狙った犯罪など、1日に平均9件の強姦事件が起きていることになる。
サンパウロ市で強姦事件が最も多く発生した地区は極南部のサントアントニオやジャルジン・エルクラーノで、各37件を記録。極南部の5地区と極東部のイタイン・パウリスタやシダーデ・チラデンテス、北西部のペルスでも19回以上の発生が報告されている。
フェルナンド・グレラ・ヴィエイラサンパウロ州保安局長は、2009年の性犯罪法改正で摘発される頻度が上がったと主張しているが、警備の専門家のトゥーリオ・カーン氏は09年の性犯罪法改正の効果はすでになくなっており、告発できずにいる被害者はもっと存在すると語っている。
また、25日付フォーリャ紙サイトは、24日付米国ニューヨーク・タイムス紙にリオで多発する強姦事件についての特集記事が組まれたと報じている。その記事では、バスの中で未成年犯罪者に強姦された例や、14歳の少女がレブロン海岸で襲われた件、ワゴン車で米国人観光客の女性が被害に遭ったことなどを例に出した。
同記事は「大統領とリオの警察署長に女性が就任した事実に反して、このような犯罪が増えている」と論評している。