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ニッケイ法律相談=その35=回答者 古賀アデマール弁護士

ニッケイ新聞 2013年5月29日

 質問=アパートの名義を子供のものに変えたいのですが、手続きや費用などを教えてください。
 回答=
あなたのお子さんが一人か2人以上か、未成年か成人しているかによって違います。
 まず一人だけの場合、その人が成人していれば自由に名義変更できます。弁護士に相談もできますが、ご自分たちでカルトーリオ(cartorio、登記所)に行って手続きできます。未成年の場合、親が代理人になって名義変更ができます。親がいない場合は、裁判所を通じてしかるべき代理人を選ぶことになります。
 2人以上いる場合は、残りのお子さんの同意の署名が必要です。
 経費は、そのアパートのIPTU(家屋税)をみないとわかりません。その金額によってかかる経費が決まります。
 ただし、お子さんにアパートを売るのか贈与するのか、それによって手続きは変わります。
     ◎
 質問=前の夫と別れて3年になります。離婚するさい、毎月2最低賃金を受け取る約束になっていましたが、これまで一度も受け取っていません。受け取るためにはどうすればよいでしょうか。
 回答=
全て話し合いで解決できれば一番いいですが、前の夫に支払いを請求して拒否された場合、裁判所に訴えることはできます。
 支払われなくなってから2年以上経てば、離婚時の約束は時効になる、つまり受け取る権利を放棄したとみなされることが法律で決まっています。ですから、この場合は3年経っているので1年分しか請求できません。
     ◎
 質問=ある人からお金を借りました。3年経てば時効が成立するという借金でしたが、時効の権利は放棄する、つまりどれだけ時間が経っても返済するという契約の書類にサインさせられました。今返済を要求されており、さしあたり返済する金がないのですが、契約時の約束にしたがって、いずれ返す必要がありますか?
 回答=
あなたが交わしたその契約は無効で、違法です。債務者は、借金の時効の権利を放棄することができません。
 時効となる期限は10年であることが多いですが、例外がありケースバイケースですので、詳しくは弁護士に相談してください。まずは、その借金が実際時効になっているのかどうか、どういう条件の借金だったのかを調べることが先決です。時効になっている借金を返済する必要はありません。


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