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ジウマが来月末に日本へ=大統領訪日は5年ぶり=就任後初の首脳会談か=原子力協定を最終調整

ニッケイ新聞 2013年5月29日

 ジウマ大統領が6月下旬に訪日して安倍首相と首脳会談する見通しであることがわかった。まず25日付共同通信が「6月末に訪日する方向で調整していることが24日分かった」と報じ、27日に時事通信は「同月27、28の両日に来日し、首相と会談する日程が27日に固まった」とさらに断定的に報じた。また本紙が28日に大統領府の広報に問い合わせたところ「27日と28日に訪日する」と回答し、在ブラジリア日本国大使館は「何も決まっていない」とだけ答えた。以下、25日付共同通信記事を転載する。

 【共同=遠藤幹宣リオ支局長】ブラジルのルセフ大統領が6月末に訪日する方向で調整していることが24日分かった。複数の両国政府筋が明らかにした。訪日は就任後初めて。安倍晋三首相と会談する予定で、日本企業によるブラジルでの原発建設受注を視野に入れた原子力協定締結に向け、日本側と詰めの作業を行う。
 新興5カ国(BRICs)の雄で資源・食料大国ブラジルとの一層の関係強化を狙う日本側が、繰り返し訪日を求めていた。
 ルセフ氏は6月27日に東京で安倍首相と首脳会談を行い、28日に皇居を訪問する方向で調整中。ブラジル沖での深海油田開発や同国初となる高速鉄道建設での日本企業の協力についても協議する。
 ルセフ氏は2011年1月の就任後、中国との関係強化を推進。中国首脳との会談を重ねる一方で、日本との首脳会談は実現していなかった。訪日に前後して、同じBRICsのインドや経済成長著しいベトナムも訪問する方針。在ブラジリアの日本大使館筋は「他の訪問国との調整もあり、日程が最終的にずれる可能性も否定できない」としている。
 日本側は、日本企業がブラジルに進出する際に多大な時間や金がかかる「ブラジルコスト」の是正を要請する方針。ブラジル側は日本の技術協力や科学技術取得のための留学プログラム拡大を求める考え。
 ルセフ氏の前任者ルラ前大統領は05年と08年に訪日し、日本からも04年に小泉純一郎首相(当時)がブラジルを訪問した。ルセフ氏は12年6月にメキシコで行われた20カ国・地域(G20)首脳会合で野田佳彦首相(当時)と立ち話をしただけで、首脳同士の往来が途絶えていた。