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サンパウロ州=またしても歯科医に火=シンチアさん焼死から1月後に

ニッケイ新聞 2013年5月30日

 4月にサンパウロ州サンベルナルド・ド・カンポで起こった女性歯科医焼殺事件に続き、サンパウロ州サンジョゼ・ドス・カンポスでも27日、41歳の男性歯科医が2人組の強盗に襲われ、全身に大やけどを負った。29日付伯字紙が報じている。
 被害にあったのはアレッシャンドレ・ガディさん(41)で、ガディさんは27日午後8時58分、椅子にコンピューターのコードで縛られ、トイレに閉じ込められ、火をかけられた。ガディさんの叫び声を聞いた近隣住民が警察に通報、ドアを破って駆けつけた。ガディさんは市内の病院に運ばれ、一命はとりとめたが、全身の60%にやけどを負い、非常に危険な状態にあるという。
 ガディさんによると、顔を隠した2人組の強盗に襲われ火をつけられたという。このとき、医院はもう診察を終了していたが、ガディさんは残って機具の洗浄などを行っていたという。同医院の玄関は自動施錠だが、故障中で受付を呼ぶよう張り紙がしてあった。この時間には受付担当者は既に帰宅していた。
 ガディさんが閉じ込められたトイレには、空になったアルコールの容器とライター、焼き捨てた身分証明書と銀行カードがあった。現金がないことに腹を立てた犯人が火をつけたと思われ、それは4月25日に女性歯科医のシンチア・M・デ・ソウザさんが焼殺されたときと類似の事件だ。この時は未成年者1人を含む4人の強盗が逮捕されたが、今回の事件では、犯人がガディさんの叫び声に驚いたためか、何も盗まずに逃げたという。
 警察は防犯カメラを検証中で、現時点では9時1分に1人の人物が走る姿が映されている。
 ガディさんは2人の子供と夫人と別れ、再婚したが、警察は強盗の線に恋愛のもつれ、復讐、自殺工作の可能性も含め、調査中だ。この事件後、地域歯科委員会は暴力を告発するためのホットライン創設を発表した。