ニッケイ新聞 2013年6月1日
2日にリオのマラカナン・スタジアムで開催予定のサッカー親善試合が、裁判所の命令で危うく中止になるところだった。5月31日付伯字紙が報じている。
改修工事のため1年半閉鎖されていたマラカナン・スタジアムが正式再開するのを記念する、ブラジル対イングランドの親善試合は2日に行われることになっていたが、5月30日夕方、リオ地裁がこの試合を差し止めた。
差し止めを命じたアドリアナ・コスタ・ドス・サントス判事によると、この命令はリオ州検察局の要請をうけたもので、同局は防災その他の安全基準を満たしていることを証明する書類が提出されるまでは、観客の安全性を考慮して試合の開催を見合わせるべきだと訴えていた。
アドリアナ判事によると、5月29日に軍警から提出された鑑定書には同スタジアムの工事は完了していないと明記してあり、スタジアム周辺には観客同士のケンカなどで使われれば大きな事故につながりかねない石片や瓦礫が散乱。タイルがはがれている所もあり、全ての問題を2日までに解決するのは極めて困難と判断したという。
検察局は衛生面においても問題があると指摘した上、鑑定書を未提出のままで試合を行おうとしたブラジル・サッカー連盟(CBF)のジョゼ・マリン会長の解任をも同時に求めた。
リオ州はこの暫定令に即座に対応し、午後11時過ぎに種々の鑑定書を提出。これを受け、グラシア・クリスチーナ・モレイラ・ド・ロザーリオ判事が差し止めを解いた。アドリアナ判事の暫定令では、試合前日の1日までに必要な措置を終えるよう通達していた。
15日からのコンフェデレーション杯の会場では、ブラジリアのマネ・ガリンシャ・スタジアムで座席番号の打ち間違いがあったほか、バイア州フォンテ・ノヴァ・スタジアムでは豪雨による屋根の覆い破損といった問題も伝えられていた。