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入管一転 在留資格認定=〃3年問題〃の日系人女性に

ニッケイ新聞 2013年6月1日

 【既報関連=静岡新聞5月30日付】日本政府の帰国支援事業を利用した日系ブラジル人女性が、再入国を拒否されたのは不当として国を提訴した問題で、名古屋入国管理局は29日、女性の入国を認めないとする決定を取り消し、在留資格の認定証明書を発行した。
 訴訟によって女性の妻という身分を再検討した結果とみられ、浜松市役所で会見した女性の夫=同市中区在住=や原告側代理人らは「誠実な対応。やっと夫婦一緒に暮らせる」と喜びを表したものの、再入国を制限する国の制度そのものにはあらためて疑問を呈した。
 女性(21)はサンパウロ州在住。代理人によると、夫の日系人男性(22)は同日午後に同管理局浜松出張所で、再入国不可とした今年1月の決定の取り消しを告げられ、女性の認定証明書を渡されたという。
 一転して再入国を認定した理由について、同管理局の入国審査官は「妻という新しい身分を得たことについての審査が不十分だった」と説明したという。
 今回の決定を受け、静岡地裁に起こした訴訟は「裁判の目的は達成されたので取り下げる可能性が高い」(代理人)とした。しかし代理人は「結婚という個別の審査の範囲にとどまり、再入国を制限する制度そのものには何ら決着がついていない」と指摘した。
 訴状によると、女性は7歳で両親と来日し、浜松市で生活していたが、2009年6月に失業中の両親と一緒に支援事業を利用してブラジルに帰国。11年に、支援事業を利用せずにブラジルに帰国していた男性と結婚した。
 男性は12年に日本に再入国して浜松市内で就職。女性を日本に呼び寄せようと名古屋入国管理局浜松出張所に在留資格認定を申請したが、支援事業で帰国したことを理由に認められなかった。