ニッケイ新聞 2013年6月4日
レジストロ日伯文化協会(金子国栄会長)主催の『第18回寿司祭り』が1、2両日に同市ベースボールクラブ(RBBC)体育館で開かれた。2日間で1千食以上の寿司が完売する盛況ぶりに、金子会長は「近郊の街だけでなく、他州などの遠方から来てくれる人も多く、例年より多くの人で賑わった。こういった盛り上がりは、10月の入植百周年式典に向けても追い風になる」と笑顔を見せていた。
RBBCの日本人部が、レジストロ日伯文化協会として独立した1993年、清丸清・初代会長を中心に「地域への日本文化の普及」を目的として始まった。
第1回の会場は、現在の体育館ではなく、BBCR会館の大サロン。当時からイベント運営に携わる金子、山村敏明さんは「参加者は400人くらい。余興も無く、内輪で日本食を楽しむ程度だった」と振り返る。
その後、2000年代にあったコレラの流行による2度の開催中止を乗り越え、現在まで20年に渡って続いてきた。
近年、コロニア歌手の招致や、文協各部のアトラクションを導入するなど工夫をこらし、2日間で約3千人を動員するまでに成長した。文協主催行事としては、毎年11月に開催する『灯篭流し』に次ぐ規模を誇る。
午後6時の開場から多くの来場者が訪れ、8時過ぎから始まった開会式の時点で会場は満員に。川尻誠実行委員長の挨拶で開会が宣言された。
アトラクションの先陣を切ったのは、同文協太鼓部「リベイラ涼風太鼓」。迫力の演技に、会場からは指笛や大きな歓声が飛んだ。
民謡大和会の日本舞踊の発表では、6〜18歳の浴衣姿の少女ら20人が舞台に上がった。子どもたちの指導にあたる吉田千鶴子さんは「大勢の前で演技するのは凄く良い経験。初舞台の子もいたが、しっかり踊れていた」とほっとした様子で語った。
寿司の売り上げも好調で、初日だけで8百食を販売。調理に携わった山村純子さん(66、二世)は「本当に休む暇が無かった」と笑顔で汗をぬぐった。
会場には、同市のジルソン・ファンチン市長も駆けつけ、寿司に舌鼓。「日本文化は観光面に良い影響を与えるなど、レジストロにとって非常に重要な存在。私自身も日本料理や文化のファン」と満足げな表情を見せていた。
日本週間も盛況!=5日間で3千人が来場
寿司祭り開催の1週間前からは、同文協会館で『第7回日本週間』が開かれた。いけ花や国際交流基金提供の漫画のパネル展示、折り紙などのワークショップなどが行われ、5日間で計3千人が来場した。
昨年に引き続き2回目の開催となったコスプレコンテストには、同地域の学生らを中心に20組が参加。昨年の倍以上となる3百人以上が応援に駆けつけ、大きな盛り上がりを見せた。
運営に携わった金子慶子さん(68、二世)は「日系、非日系関係なく、日本文化を伝えられる機会が作れていることは本当に嬉しいこと。毎年参加者も増えているので、出来る限り続けていきたい」と笑顔で語った。