ニッケイ新聞 2013年6月5日
ブラジルからヨーロッパに5トンのコカインを密輸していた疑いで、コロンビア人、ブラジル人、ボリビア人、ポルトガル人、スペイン人など計10人が国内外で逮捕されたと4日付フォーリャ紙などが報じた。
10人のうち7人はブラジル内5州で、3人はポルトガル、スイス、スペインで身柄を拘束された。犯人らは、コカインの一部を航空機で、一部を冷凍加工された魚と梱包してヨーロッパまで運んだとされている。
警察の調べによれば、コカインの輸送に使われたルートは二つ。一つはコロンビアからベネズエラまでは車、そこからスペインのバルセロナ、イタリアまでは船で運ぶというルート、もう一つは南大河州のリオ・グランデ港で冷凍の魚と梱包してポルト・アレグレの空港まで運び、そこから航空機でポルトガルに送るというルートだ。
主犯とされるコロンビア出身の実業家アレキサンダー・パレハ容疑者(53)はリオのバーラ・ダ・チジュカ区在住で、31日夜にミナス州ディヴィノーポリスで逮捕された。同容疑者は麻薬売買で得た金で、不動産や企業、自動車などを購入しており、その資産額は1千億レに上るとみられている。
同容疑者は2005年にも、グアルーリョス空港で逮捕されており、服役後の08年に出所している。連警によれば、その当時、資金洗浄をした額は1週間で4千万レアルに上ったという。
なお、本件は連警と国際刑事警察機構(Interpol)が1年半前から捜査していた。